食料と人類―飢餓を克服した大増産の文明史
人類がいかに食料生産を拡大してきたか、その歴史をたどる本。異世界にトリップ/転移/転生したときに農業チートしたい!!1と思って読んだ。
全部で十章あるが、おおまかに3つにわけられる。
- 人がどのように食料を効率よく得てきたのか、その背景、要因について
- 定住して農耕を始めた後、人が直面した問題とその解決、特に、リンと窒素について
- どのようにして生産効率の高い品種を作り出してきたかについて
狩猟から農耕への大転換の後、何千年もの間、土壌の養分をいかにして回復するかを探求してきており、それが解決したのが20世紀になってから、というのがすごい。しかも、その後も品種改良・遺伝子操作等、あらゆる技術を駆使して生産量向上に挑戦している。それを支えてきたのが、遺伝子にはできないことをやってのけた「文化」であり、小さな一歩の積み重ねにより様々な問題が解決されてきたわけで、今後発生するであろう様々な問題もきっといつか解決するだろうという希望を抱かせてくれた。
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ルース・ドフリース
日本経済新聞出版社 (2016-01-07)
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- 最近のライトノベルやWEB小説では異世界に転移したり転生したとき、現地にまだ存在しない農業に関する知識を使って成り上がろうとする描写がある。 ↩