repl.info

July Tech Festa 2017に行ってきた

8月27日に産業技術大学院大学で開催されたJulyTechFesta2017に行ってきた。

廊下の端っこにおしゃれなスペースが

B10: Web サービスの信頼性を守るための取り組み

https://2017.techfesta.jp/speakers#B10

https://speakerdeck.com/rrreeeyyy/jtf-2017-site-reliability-engineering

Cookpadではどういうことをしているのか、という所を知りたいなあと思い、聞きに行った。新規サービス開発時、SREは1人か2人アサインして、そのメンバーで信頼性に関する点は設計からパフォーマンスチューニングまでやっているとのこと。想定するユーザ数でアーキテクチャも変わるので、デザインドキュメントも重視している。負荷試験を行い、必要であればアプリケーションのコードにも手を入れる。おおむね自分の認識しているSREと同じだが、ちゃんとやれていて頑張ろうという気持ちになった

モニタリングはZabbixから徐々にPrometheusに変えたいそう。メトリックは15秒単位。高級言語でメトリックとクエリを扱いたいという要求は自分と同じだった。どのモニタリングツールを選ぶか、という観点、時系列DBに対する理解やツールの特性が何か。自分たちに合うか?スケールするか?ということを考えないといけない。

ロードバランシングの話。問題に対してソフトウェアエンジニアリングで解決していて、素晴らしい。

SREは文化だという主張はおもしろいと思った。確かに、単にやり方を真似するだけじゃなくて、エッセンスを理解して、自分たちにあったやり方を取り入れていくことが大切だ。目的はサービスをユーザに届けることなので。それを文化、という言葉にしたのは納得できる。

E20: インフラエンジニアのためのFPGA超入門

https://2017.techfesta.jp/speakers#E20

FPGAについて、ほとんど知識がなかったのでちょっと知りたいと思って聞きに行った。FPGAというのは論理回路を作り込めるIC・LSIで、デジタル回路は何でも作れる…ただ、書き換え可能である分パフォーマンスやサイズが書き換え不可能なものと比べると弱い、というものだということを知ることができた。

ウェブサーバやKeyValueStoreのようなものも作ることができるというのはちょっと意外(そりゃできるんだけど)。並列性、特化性が必要であれば選択肢として挙げられるようだ。自分が使うかどうか、については、可能性は0ではないけど、そこまでパフォーマンスを突き詰めないと行けない要件が自分の目の前には今のところなさそうだ、という感じ。

とはいえ、オンチップでFPGAを利用できるのもそう遠くはなさそうで、どんどん身近になりそう。定期的にアップデートしたい分野であることは間違いないなあ。

E30: オープンソースコミュニティにおける英語が苦手な開発者の苦悩と奮闘記

https://2017.techfesta.jp/speakers#E30

Click to access non-native-english-speaker.pdf

コミュニティにおいて英語が母語ではない人がどうたち振る舞ったのか、という話かなと思っていたら英語の学習についてという内容が中心だった。Reading,Writing,Listening,Speakingをどう学ぶか、また日本人や中国人、ブラジル人がどう振る舞いやすいかという話。学ばねばなとは思っているけど使うことがないのでなかなかモチベーションが沸かないのだよなあ。英語を使えないから使う機会がない、という鶏卵のような状況なのかもしれない。

 

E40: ネットワークの検証やレビューにはもう正直疲弊したので全部プログラムで自動化できるようにしてしまえばいいと思った

https://2017.techfesta.jp/speakers#E40

https://speakerdeck.com/corestate55/jtf2017

ネットワークがちゃんと繋がっているかどうかの確認については結構関心があったので聞いてきた。自分のようなソフトウェア側の人間と、ネットワークエンジニアのような立場の人ではネットワークのとらえ方が違う(ネットワークが繋がっているものか、繋げるものかという認識の違いがある)のが興味深かった。

物理的な場所やデバイス・OSというような制約があるのでテストしにくいのはその通りだと思う。

テストについては、Cucumberで振る舞いを記述し、それを元に専用のテストフレームワークでテストする、というもの。OVS/OFSを使って、機器間のケーブルの切断を再現していた。OFSが挟まっている以上、完全に本番環境と同じではないけどなかなかよさそうだと思う。

E50: CDNのトレンド2017:セキュリティCDNとマルチCDN

https://2017.techfesta.jp/speakers#E50

CDNのトレンドということで聞いてみた。

ピーク対策としてCDNを使うということを言っていて、そういう使い方はあまり認識になかったので興味深かった。CDNの歴史から始まって、最近は自社に最適化したCDNを作ったり、IPSが余っている回線を売るためにCDNを始めることが多いという話をしていて、目的に応じていろいろ選べる状況になっている、という状況のようだ。

CDNのセキュリティ機能としてはプロトコル変換とWFAを挙げていた。SSL変換はCPUを結構使うのでCDNを使うという手法を使うことがあるとのこと。また、大量のトラフィックをさばき、選別するという特性からCDNはWFAと相性がよいそうな。アプライアンスは上の回線が詰まったら終わるよね、という話をしていた。

マルチCDNというのも最近行われていて、NHK等が採用しているとのこと。一番パフォーマンスが良いCDNを使うようにする、という目的。 https://portal.cedexis.com/ui/login.html をみると様々なCDNの状況が分かり(見るのは無料)、有料プランだと切り替えることができるというものだった。

聞いてみるとめちゃ便利だなあと思ったが、CDNにどこまでやらせるべきなのだろうなあ。(今のところ)設定をコードで管理するのは難しそうだし。

他、気になったセッション

後でスライドを読む用のリスト。