大ソフトウェアDIY時代
Claude CodeやCodex、その他様々なコーディングエージェントがしのぎを削る今日この頃、みなさんはソフトウェアを作っていますでしょうか。僕はこれまでの人生の中で、仕事でだけではなくプライベートでも一番作っているように思います。世は正に大ソフトウェアDIY時代。
とはいえ別にソフトウェアをDIYするというのはコーディングエージェント普及後に生まれた概念ではありません。昔から自分で使うソフトウェアを自分で作っている人たちは大勢いたし、それを配布する人もしない人もいたでしょう。自分も数えるほどですが自分で作ったソフトウェアをGitHubで公開していました。それでもコーディングエージェントによってハードルが下がったのは確かです。
特に、不慣れな領域での開発は格段にやりやすくなりました。自分の場合は例えばmacOSのネイティブアプリケーションをちょこちょこ作っていて、自分だけがローカルで使うだけのアプリケーションを作っています。ネイティブアプリケーションの作法も知らないし、Swiftも全く書けません。いわゆるバイブコーディングで作っていますが、自分が使う分には十分実用的なものが作れるようになってきました。
知らない領域でバイブコーディングしてみて思ったのは、ある程度作ることはできても細部を詰めて品質を上げるのは結構難しいということです。例えば、僕はPodcastの編集アプリケーションを作っています。これまでは別のアプリケーションで編集していたのでそれをイメージして作ってみているのですが、音に関する知識やネイティブアプリのUI・UXに関する知識がないと難しい。編集時には音声に対していろいろなエフェクトをかけるのですが、正しくエフェクトがかけられているのかを判断するにはそのエフェクトについての知識が必要です。
また、UIやUXについても適切に実装するには最低でも名称を知っている必要がある。さらに、これまで使ってきたアプリケーションが当たり前に備えていた機能についても一つ一つ実装する必要があります。例えば右クリック時のメニューやドラッグ&ドロップ。これも全部指示する必要があります。商用のアプリケーションはすごい、と感じました。指示の仕方が悪いのかもしれませんが、逆にどう指示すれば短期間で高品質なネイティブアプリが作れるのかまだ分かりません。SKILLなどでカバーすれば可能かもしれませんが、今は知識がある方が効率的でしょう。
もう一つは、自分が欲しいものを具体的に言葉にすることも結構難しいなということです。人によるでしょうが、僕はどちらかというとソフトウェアエンジニアの中でも苦手な方じゃないかと思っています。バイブコーディングでソフトウェアを作るとしても、まず自分が困っていることや欲しいアプリがあることを認識し、それを解決するにはどういうものがあるといいのかを言葉にできないといけないでしょう。少なくとも2026年7月時点では。それでも、言葉にできるならそこから先はAIのサポートを受けることができるのでとてもいい時代だと思います。メタ認知力と言語化力が高い人はかなりエージェンティックコーディングを活用できているんじゃないでしょうか。
ここまで話したことはソフトウェアに限らず、物理的なDIYでも同じだなと感じています。普段生活していて、家の中をこう変えたらちょっと暮らしが良くなるんじゃないかという発想がなければDIYに進めないし、DIYするにも道具の使い方は多少分かっていないといけない。ホームセンターや100均でちょっとしたアイテムを買うことがツールやアプリを買って暮らしを改善することに相当するとすれば、自分用のソフトウェアを作ることはまさにソフトウェアのDIYだなと思います。物理DIYでも強度や安全性などを考慮すると学ぶことはたくさんあるだろうし、それはソフトウェアでも同様です。コーディングエージェントがその敷居を下げて様々な人がソフトウェア作りに挑戦し楽しめるようになったのはとてもいいなと思います。
1年後ソフトウェア開発がどうなっているかわかりませんが、2026年7月時点の自分の状況を記録する意味も込めて書いてみました。皆さんはどうですか?