迷ったら「スティール・ボール・ラン」を読め。これはひたむきに前に進む物語だ
3年後、5年後、10年後の自分へ。迷ってますか?もしそうなら、今すぐ「スティール・ボール・ラン」を読め。Kindleが終了して読めない?今すぐ書店に走って全巻買ってくるんだ。
先日、ジョジョの奇妙な冒険 第4部のアニメが完結した。ジョジョ熱が復活して、ちょうど冬期休暇に入るタイミングだったので、中途半端に読んだままになっていた第7部の「スティール・ボール・ラン」を読んだのだけど、これが大変素晴らしい作品だった。賛否両論ある思うけれど、個人的にはシリーズ内でもかなり上位に入っている。
何がよかったのかというと、タイトルにも書いたように、この作品は「前に進む物語」であるということだ。ストーリーの主軸の1つがレースであり、疾走感があるということもあるし、登場人物それぞれが過去を背負い、未来に向かってレースでぶつかり合うところもおもしろい。その中で、いいなあと思う台詞やドラマがあったので、それらについて書いていく。
「開拓者」であれ
失敗というのは……いいかよく聞けッ! 真の失敗とはッ!開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に、無縁のところにいる者たちのことをいうのだッ!このレースに失敗なんか存在しないッ!存在するのは、冒険者だけだッ!(第1巻、スティーブン・スティール)
北アメリカ大陸横断レース「スティール・ボール・ラン」の主催者、スティーブン・スティールの台詞だ。「チームが機能するとはどういうことか」によると、優れたチーミングは学習しながら実行することで、そして、それはひたすらイノベーションを続けながら未来へ突き進むことだという。何が起こるかわからないが、勇気を持ってその先に進み、困難に挑戦し、勝利を目指す。まさに自分がやりたいエンジニアリングそのものだ。
「納得」はあるか
オレは「納得」したいだけだ!「納得」は全てに優先するぜッ!!でないとオレは「前」へ進めねぇッ!「どこへ」も!「未来」への道も!探す事は出来ねえッ!!(第8巻、ジャイロ・ツェペリ)
仕事をする上で「納得すること」は自分の中で大切な要素の1つだ。経験上、目的やゴール、意義などを理解して納得できていない時、後から振り返ってみると中途半端な仕事になってしまうことがある。それを防ぐためには周囲とのコミュニケーションを通してゴール、意義などを共有することが大事だ。時にはやらないという選択も必要になるだろう。2017年、シニアエンジニアとして自分だけではなくみんなが納得できる仕事をしていきたい。
「敬意」を払え
LESSON4だッ!「敬意を払え」ッ!(第11巻、ジャイロ・ツェペリ)
まず、主人公であるジャイロ・ツェペリとジョニィ・ジョースターの関係が素晴らしい。なりゆき上ではあるが、師弟関係から始まり、よきコンビになり、そして最後に弟子が師匠を乗り越える。ジャイロは「回転の技術」をジョニィに伝えるのだけど、「遠回りこそが最短の近道」、「敬意を払い、自然をよく観察すること」というように直接教えるのではなく、本人が気づきを得るを重視しているように見える。
ありがとう、ジャイロ。本当に………本当に……「ありがとう」…。それしか言う言葉が見つからない…。(第22巻、ジョニィ・ジョースター)
「気づきを得る」なんて人によってはあまり好きじゃない言葉かもしれないけど、僕はものごとを学ぶ上でとても大事な要素だと思っている。これは自分の中では「しっくりくる」「ピンとくる」というような概念で、自らが気づいて納得したからこそジョニィは真に知識や技術を身につけ、クライマックスでジャイロの死を乗り越えて勝利できたのではないか。そして、だからこそジョニィは「ありがとう」というシンプルな言葉しか出てこなかった。真の敬意、感謝というのは簡単に言葉にすることができないのではないか。
自分が教える立場ならジャイロのように教わる側が「気づきを得られるよう」な道を行きたいし、自分が教わる側なら敬意と感謝をもって望みたい。
「光」を探せ。「光」の中へ!
You can go anywhere you like.
これはスティール・ボール・ランや他の「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくる台詞ではない。いつ手に入れたのかよく覚えていないのだけど、僕が持っているドッグタグに刻まれた言葉だ。
あるときこのドッグタグを見て、ああ、自分は行きたいところに行ってもいいんだ、と気づいたように思う。当然ながら、会社という組織に所属している以上、なんでも好きなことだけやっているわけにはいかない。そこには利益や会社の目標、責任といった制約が生じる。
しかし、それこそがスティール・ボール・ランだ。ゴールやルールは定められているが、そこに至るまでの道は選ぶことができる。もちろん、レースに参加しないという道もある。そのゴールが自分の行きたい場所であれば「厳しい道」だが「気持ちのいい道」を進むことができるし、そういう道を探して走っていきたい。
そう、その先には「光」があるはずだ。「光」の中へ!
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